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いのちの木のあるところ

「いのちの木」に平和への祈りをこめて

今から約800年前のトルコ。王女のトゥーラーンは物語に憧れ、主人公のように自由に生きたい、自分の意志でなにかを成し遂げたいと願っていました。やがて運命は、山奥の小さな王国ディヴリーへとトゥーラーンを導きます……。今も多くの謎に包まれたトルコの世界遺産、「ディヴリーの大モスクと治癒院」をめぐる人々の、壮大な歴史物語です。

  • 読んであげるなら

  • 自分で読むなら

    小学高学年から

カテゴリ : 読みもの
定価 : 3,080円(税込)
ページ数 : 528ページ
サイズ : 22×16cm
初版年月日 : 2022年06月20日
ISBN : 978-4-8340-8669-0
シリーズ 福音館の単行本

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みんなの感想(4件)

  • こんにちは。夏に偶然古本屋で、新藤悦子さんの「ギョレメ村でじゅうたんを織る」(月刊たくさんのふしぎ第102号)を手に入れて楽しんでいたところ「あのね」で新藤さんの新刊を知りました(「あのね」のエッセイもよかったです)。訪れたことのない山々や街の風景が目の前に広がって、清々しい気持ちになりました。そしてトゥーラーンはじめ、登場人物たちがとてもいきいきと描き出されていたのが印象的でした。新藤さんと佐竹さんの持つペンも、フッレムシャーに劣らず素晴しい力をお持ちなのだと思います。たくさんの子ども(大人も)たちの心に、いのちの木が育まれますように。

    野村 まり子さん

  • 終わりのないつる草、日本でも古くから縁起模様として親しまれてきた唐草模様と同じですね。人から人へ、手から手へと限りなくつながれていく。又、一生懸命に何かに取りくむ人々、何かに向かっている人々の周りには、いつもその人の為に自分に出来る事でかかわりたい、お手伝いをしたいという思いが伝わり、出来ないだろうと思っていた事がなしとげられるものですね。作者自身の人柄と思いが多くの登場人物を通して、間違いなく読んだ人の心の中に残る一冊でした。長い物語であるにもかかわらず終わりが惜しく感じられる本に久々に出合いました。トルコの子ども達にもこの本は是非読んでもらいたいですね。

    阿久津 麻里子さん

  • おおきくてのびやかな物語。少女の成長物語でもあり、物をうみ、つくり出す職人の物語でもある。さわやかな風と歴史と人のいとなみがにおいたつような文章。読後感もすばらしい。この厚さとこの値段にどれだけの親がわが子にと与えられるだろうかと心配してしまう。今の日本だからこそ、紙の本、厚い物語が子どもたちの心に届くように読まれなければならない時なのだ。良質ですぐれた子どもの本、紙の本がつくられ続けますようにと切望する。美しいさし絵もすばらしいと思いました。歴史ファンタジーの読みごたえのある本を切にのぞみます。

    中谷 優子さん

  • 中東トルコのディヴリーという小国を舞台とした大モスクと治癒院創設が、日本の平安後期から鎌倉時代に、天皇家や南都の寺が、人びとを救済するために創設(悲田院、施薬院それに近い施設)する時期に重なります。この物語は、導入部から主人公の王女は何をするのか興味を読者に起こさせ、どんどんと王女の好奇心に導かれ読み切ってしまいました。どんな時にも生き生きと希望を持って進む姿を表現した物語に感動を覚えます。ウクライナを始め、今だ続く世界の紛争の中、心が折れそうになる時、この物語は勇気と笑顔の大切さを教えてくれています。この物語を紡いだ著者のトルコに向ける深い慈しみの心に胸を打たれます。日本にとどまらず、多くの人たちに現在読んでもらいたい、老若男女問わず、この大著の歴史物語を。

    髙野 進さん

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