さいごのゆうれい

ゆうれいと過ごした、四日間。

世界中が「かなしみ」や「こうかい」を忘れて、だれもが幸せだった〈大幸福じだい〉と呼ばれた時代があった。そんな時代の夏休み、小五だったぼくは、田舎のおばあちゃんちに預けられた。空港のあるその町で、いわゆる「お盆」の、その最初の日に、ぼくは、ひとりのちいさなゆうれいに出会った。その子はいう。自分が、ゆうれいのさいごのひとりかもしれないと。ゆうれいを救い、世界を取り戻すために、ゆうれいと過ごした四日間。

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    小学高学年から
¥1,870(税込)
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基本情報

カテゴリ
読みもの
ページ数
304ページ
サイズ
20×14cm
初版年月日
2021年04月10日
ISBN
978-4-8340-8606-5
テーマ

みんなの感想(10件)

かなしみや、こうかいは悪いものではない。誰かとの大切な思い出とつながっているから。私も、胸の奥にしまったままで忘れていたかなしみを思い出し、それと同時にもっと大切な人たちとの思いでがよみがえってきました。<大幸福じだい>冒頭に、”これは君たちにとっては未来の話”とあります。いつか、ほんとうに来るかもしれません。でも、それは幸福ではないということを忘れないようにしたいです。イラストがたくさんあり、どの挿絵もほっこりしてお気に入りです。「ネム」の名前の由来を知って、涙でした。なんてステキでいいあだ名なんだろう。私もお気に入りです。

プロローグをよんで「本当にハッピーエンドなのかな?」と思い、読んでいったらすごくおもしろく、さいごは感動してしまいました。この世には「かなしみ」も「こうかい」も必要なんだと思いました。私の好きな作者は辻村深月さんです。「かがみの弧城」が大好きで、映画になったときは、すごくこうふんしました。あと、住野よるさんも好きで「また、同じ夢を見ていた」が特に好きです。住野さんしかかけない、少し変わった日常がすごくおもしろいです。

すごく読みごたえがあった。とってもおもしろかったです。ネムが生きてたときにハジメとあっていたのを知ってびっくりしたし、ハジメのおばあちゃんがネムのことをおぼえていたと知ってびっくりしました。とてもおもしろくて本を読んでいて1時間たっていてびっくりしました。今きょうみのある本は、はやみねかおるさんの「ルーム」シリーズの夏休みルームです。

これは物語の話だけれど、もしこの世界から本当にかなしみがきえてしまったら、わたしもミャオ・ターやゲンゾウやハジメみたいにわすれてしまうのかなぁって考えるとかなしくなります。最後の方でハジメとネムが出会った場所がネムの橋だった所とか、昔ネムとハジメが仲が良かった所とか、ラストの場面全部なみだがとまりませんでした。作者さんがおわりのあとにの所がある本なんて出会ったことがなかったので、いいなぁと思いました。とてもよかったです!! あの一ついいたいのですが、初版発行が私のたん生日で運命感じました。

「ぼくがゆびを~」を当時小3の息子と読んで「子ども向けなのに子どもあつかいしてないね」と親子で感じ入ったのがきっかけで、斉藤倫さんの本を次々買って読みました。「オルペウス・オルペウス」の詩集もとても好きになり、いつもユーモアと余白と空気に胸をうたれています。今小5になった息子の方がどんどん読むのがはやくて、私はまだ2冊くらい追いつけていませんが、小説はコンプリートしました。息子が「さいごのゆうれい」よかったからはやく読んで、読んでと言ってくるのに時間がなくて、発売すぐ買ったのに今2022年1月23日ようやく読みました。泣きました。倫さんがすごい詩人なんだなと思ったのは「はじまりのまえに」の最後の3行を読んだだけで、そこがとくに意味不明だったのにもかかわらず、すでに切なくて泣けてきてしまったことでした。そして息子に「お母さんここだけでなぜか泣いちゃうんだけど、もしかしてこれ読み終わったら、ああ!ってもう1回読んで泣いちゃう?」と聞いたら「うん、そうだね」と教えてくれました。そして案の定泣いて、もう1回読んでかみしめて泣いてます。このお話を書き始めた時はコロナは始まっていたのでしょうか。おばあちゃんらしくないおばあちゃん(すごくわかります)が、ちゃんとごはんを材料から作る人で、だからこそ体に入れていいものか?科学的な薬を?と自分で判断する人だということが、世界を少しもとに戻せたということが、本当に今、今の時代と気持ちです。本当は息子に感想を書かせたかったけれど、母の私が書きました。これからも元気で、物語を届けてください。 斉藤 倫様

来年のおぼんはゆうれいに会えたらいいなと思いました。「かなしみ」は、いやなものとかいらない物としてとらえられがちですが「かなしみ」は、この世界になくてはならない物ということが分かりました。絵もかわいかったです。

さいごのゆうれい、すごくかんどうしました。げんぞうとミャオ・ターの会話では、読んでいてつい、くすっとわらってしまうくらい楽しくておもしろかったです。でも私は、一番心にのこった場面は、ハジメがカンナの花を「いき」を使って消す場面です。カンナをなくせば、トワイライトもなくなって、ゆうれいたちのきおくが人間にもどるけど、人間は苦しむ。けど、カンナを消さなければ、このままゆうれいは消えていき、人間は楽。でも私は、どっちもいやです。人間が苦しむのもいやだけど、ゆうれいたちが苦しいのもいやです。すごく、考えさせられました。そして最後、ネムのしょうたいが分かった時、すごくかんどうしました。まだたくさん書きたいことがあるくらい、すごくおもしろかったです。

過去をすっかり忘れてしまえば、同じあやまちを何度でもくり返してしまいます。「かなしみ」と「こうかい」が、人を そして社会を 望ましい未来に導いていくんだと、心に刻みました。

この本を読み終わった時、本当に読んでよかったと思いました。読みはじめた時は「これ何の話やろ?」と思っているうちにどんどん引き込まれていき、しまいには読み終えるのがもったいなく思えてきました。かなしみがなくなったら世の中はどうなるだろうと自分も考えました。でもかなしみがなかったら死んだ人のことを思い出す人がいない…。それは何か間違っている気がします。死んだ人の事もたまには思い出して、その人の事を思うのもいいのではと私は思います。「さいごのゆうれい」を読み終えて私は「世の中からかなしみが消えることが起きてはならない。私たち人間がもっと気をつけて行動しなければならない」のだと確信しました。挿し絵がめっちゃかわいかったです!!!ありがとうございました。

「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」は、全部音読をし、倫さんのつむぎ出す優しいことばのリズム、世界に対する洞察の深さに圧倒されました(枝豆もたべたくなりました!)。「さいごのゆうれい」は、大好きな本屋の書店員さんがおすすめしてくれ(「ゆびぱち」もですが!)て購入しました。<かなしみ>なんてない方が幸福なのだという考えは、今の世界に少しずつ着実に広がっている気がしていて、でも、物語の中で登場人物たちが<かなしみ>と付き合いながら1つ前へふみ出していくように、自分の感性を大切にしていきたいと思いました!最高でした。

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