こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみ。
あきが赤ちゃんの頃から、ふたりはいつも一緒です。
ある日、とうとう こんの腕がほころびてしまいました。
こんの腕を直してもらうために、ふたりは一緒におばあちゃんの家を目指しますが…。
互いにかけがえのない存在である、こんとあきの冒険物語です。
― 絵本の中にかくれた人たち ―
『こんとあき』の絵には、
場面のあちこちにさまざまな人が描かれています。
作者の林明子さんが描く遊び心あふれるしかけをお楽しみください。
他にも思わぬ人が描かれていますよ。
ぜひ、さがしてみてくださいね!
こんとあきが向かった“さきゅうまち”。砂丘で有名な鳥取がモデルなのは、林明子さんのご両親の故郷で大好きな祖母が住んでいたから。
裁縫上手な祖母の姿をとどめたくて、なるべくそっくりに描いたそうです。
おばあちゃんから、あきのおもりを頼まれてやってきた「こん」。
あきが生まれてからずっと、一緒に遊んだり、面倒をみたり、お兄ちゃんのような存在です。
「こん」は、林明子さんが型紙からおこして製作したオリジナルのぬいぐるみです。
こんの絵を描くにあたり、実物を見ないと描けない林さんは、ちょうどいいきつねのぬいぐるみが見つからず、自分で作ることにしました。
口のまわりや手足には、針金が入っていて、表情やポーズがつけやすくなっているんですよ。
林明子さんは、初めにお話を考える段階で、実際に信越本線や山陰線などに乗って取材をしました。
特急列車のオレンジと紺のデザインは、いろいろな取材写真を参考に林さんが創作したものです。
こんがお弁当を買う場面は、信越本線の横川駅で峠の釜めしを買う光景がモデルに。
切符を調べにきた車掌さん。検札ばさみを指に引っ掛ける持ち方は、取材でみた様子を取り入れました。
こんとあき
林明子 作
4才から / 40ページ
1,430円 (税込)