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かがくのとも 50周年によせて

好奇心を持って世界を探索する楽しみを教えてくれる「かがくのとも」。そんな「かがくのとも」の作者たちは、子どもたちをかがくの世界に誘うプロたちです。身の回りの不思議に飛び込んでいく子どもたちに向けて、メッセージをよせていただきました!

あべ弘士さん

あっ、今 私のアトリエの前をクロテンが通っている。まっ白な雪の上をゆっくりと歩いている。遠くでアカゲラのたたくドラムの音が聞える。冬もようやく終り、春らしさが日いちにちやってくる。めぐる時間、季節、自然の中にいつも“かがく”がいて、待ってくれている。その気配のなかに自分の身を置くとき、“かがく”はやさしく“なぞ”に答えてくれる。“かがく”は無限にあり、若い君たちを誘っている。

安野光雅さん

むかしは何もかも神様でした。私が生まれた頃、世界は一つの宗教ではなく、いろいろな考え方がありました。でも19世紀、科学というスローガンが生まれました。私たちはそれを信じ、科学の道を歩もうとしています。科学は新しい考え方として、私たちの心を勇気づけてくれました。

伊沢尚子さん

かがくのともって「かがく友達」という意味じゃないかな。
私は50歳も超えていて十分に大人なはずなんだけど、いまだにケンカしてひとりぼっちになることがあります。
でも、大丈夫! バナナのスジを食べながら苦いねえと話しかけたり、ものすごく背の高いネコジャラシに会いに行ったり。私には、バナナやネコジャラシみたいな、かがく友達がいるのです!
かがくのともを読んで、かがく友達をいっぱい作ってくださいね。

今森光彦さん

私は、こどもたちに自然をじっくりと見てほしいと思っています。外で遊んでいると風や雨や太陽が、季節ごとに違って感じられるのが不思議です。そんななかで、出会う数多くの生きものたち。これらはすべて人がつくれないくらい緻密なものばかり。ほんものを観察する科学の心は、好奇心や感性を育ててくれるんですね。星の数ほどのテーマから、毎回すばらしいヒントをくれるのが「かがくのとも」。自然をもっと楽しみたいね。

大島英太郎さん

子どもの頃に出会った「かがくのとも」は、自分にとっては絵本の原点です。加古里子さんの『どうぐ』や『あなたのいえ わたしのいえ』は、とにかく絵本として最高に面白い。特に『どうぐ』で、自動車をすべての部品に分解する場面は圧巻でした。また、薮内正幸さんの『のうさぎ』や『とき』は、写実的なタッチの絵と、ダイナミックな構図の迫力に引き込まれました。

五味太郎さん

なにしろ50号から参加して、途中にもたくさん描いて、なんと「500号」にも描かせてもらったのですから「かがくのとも」はぼくと共に、いや、ぼくが「かがくのとも」と共に歩んでいるという感じで、かなりの仲よしです。つまりは読者のみなさんともかなり仲よしです。これからも仲よく行きましょう。

佐藤雅彦さん

「理由がある」

空が青いのも
葉っぱがみどりなのも
蜂が黄色と黒なのも
ちゃんと理由がある。

水をつめたくすると氷になる。
その氷が水に浮くのも
ちゃんと理由がある。

世の中のものには
みんなちゃんと理由がある。
その理由は、みんなおもしろい、 
みんなふしぎ。

かがくのともは
そのおもしろさを知る入り口。
かがくのともは
そのふしぎさを知る入り口。

そしてきみたちは、
まだ人類が知ることのない
あたらしい理由を
みつけるひとになれ。

澤口たまみさん

おさんぽをしていると、毎日いろいろなものに出会います。虫、鳥、花、木、動物。雨や、雪のこともあるでしょう。どうして、ここに? どうして、こんな色? これからどうなるの? みんなが、もっと知りたい!と思ったら、きっと「かがくのとも」が教えてくれるでしょう。みんなのまわりには、たくさんの生きものがくらしていて、ふしぎがいっぱい! みんなのまわりの世界と、みんながなかよくなるために、「かがくのとも」がおてつだいできるといいな。そう思ってつくりました。

多田多恵子さん

自然のなかに入っていくと、たくさんの生きものに出会います。初めて見たもの、気になるものがあったら、足を止めて、さまざまな角度から見たり触れたり、しばらく動きを見守ったりして、ぜひ、図鑑で名前を調べてみましょう。わたしは子どものころ、家の本棚にならんでいたこども用の各種の図鑑を、よく開いて遊んでいました。図鑑で見た、植物や虫、鳥、石、貝がらなどを、実際に目にしたときは、うれしくて、新しいページが開いたような気がしました。

谷川俊太郎さん

『まるのおうさま』が「かがくのとも」に入った時はびっくりしました。当時から福音館書店の編集部は、物理化学ばかりでなく、人文科学も〈かがく〉のうちに入れて考えていたのだと思います。AIなどの進化のおかげで、科学は暮らしだけではなく、私たちの感じ方、考え方にまで影響を与えるようになっています。勉強する科学と同時に身近で楽しむ科学も大切になってくるのではないでしょうか。

得田之久さん

科学絵本の楽しみ
現実ではあり得ない凄いヒーローが活躍するお話や、絶対に行かれない場所で主人公が冒険する空想物語は僕も大好きです。でも現実の世界にも同じくらいドキドキワクワクする事が沢山あります。僕にとっては昆虫の世界がそれでした。だって、不思議な形や色をした昆虫は地球上に百万種類ちかくも生息していて、それぞれが見事な生き方をしているんですからね。僕が見たのはそのほんの一部ですが、それでも胸が苦しくなるほど感動しましたからね。

野坂勇作さん

たとえば、君が友だちと夏の雑木林に入ったとします。コナラの木の下でキラキラ輝く羽根のようなものを見つけたらどうしますか? 拾いあげて、光に透かしてみて、なでてみて……。それから「おーい、ちょっと来てぇ!」と友だちを呼ぶことでしょう。これがかがくするということ。よく見きわめて、人に伝えるということです。「かがくのとも」をくり返し読んでもらうと、知らず知らずのうちに体がムズムズしてくるのは、それはかがくする力が育っているからです。

林明子さん

私は小さい頃、この世界に来たばかり、という気持で不安になっていました。夜、お月様が出るのは親切だからだと思っていました。電車に乗ると、窓の外で電柱が勝手にびゅんびゅん動いて行くのだと思っていました。あの頃「かがくのとも」があったら、さぞびっくりしたり安心したりした事でしょう。50周年! この世の中は、600冊の「かがくのとも」でも語り尽くせない魅力がいっぱいの世界だったんですね。

平野レミさん

おめでとうございます! 子どもって、トキメキいっぱい、好奇心いっぱいの日々を過ごせることのできる天使なのよね。大人になっても、その心を持っていたいものですね。そんな子どもたちの目をかがやかせる素敵な本を、これからもお作り下さい。

真木文絵さん

私はお茶碗に盛られたごはんを見て、田んぼの稲のことを考えたりします。もし、この一粒をまいたら、来年は何粒になるんだろう? 赤く実ったトマトよりも、小さな花のまわりや柔らかい枝先にいるアブラムシが気になります。アブラムシはどうしておいしい実をたべないのかな? 毎日食べている野菜や穀物にもあれ?っと思うことがたくさんあります。これが科学です。じつは、私たちの生活は科学だらけだったんですね。だから、「かがくのとも」はこれからもどんどん続いていくのです! 50周年おめでとう!

松岡達英さん

私は仕事をしていく上で、自然観察を日課のようにやっている。命の続いている間に可能な限り地球の不思議に感動し、楽しい地球生活をしていきたいと思っている。自分の棲んでいる地球に興味を持ち感動できるのは、多分哺乳類だけだと思う。子どもたちをその不思議の入口に誘ってくれるのが「かがくのとも」の大切な役目だと思っています。これからもその大切な仕事を果たしていって下さい。

やぎゅう げんいちろうさん

「かがくのとも」の2020ねんの3がつごうは、『せがのびる』というものです。それのいちばんはじめのページには、「このほんをよむとすぐにせがのびます。うそでーす。」とかいてあります。2020ねんの3がつごうをたのしみにしていてください。

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