全国の書店員さんから寄せていただいた
『怪物園』応援コメントを
ご紹介いたします。
「Michi」未知の道を辿っていくと、今度はまるでリボンのような「の」に導かれ、さてさて、つぎはどんな不思議な世界に連れて行ってくれるのかしらとワクワクしていたら、着いたところは「怪物園」でした。想像力は、いつだって私たちのみかた。力強い相棒だ。これさえあれば自由で無敵! junaidaさんの誘う世界、感じるままに楽しみたいな。
junaidaさんの圧倒的な絵の力。すごい…! 誰もが細部まで目を凝らしてこの物語を隅から隅まで探索しないではいられません!!! 窓の数、怪物たちの目玉の数…、きっと数えきるのは不可能だよ! たくさんの遊び心とアイデアで繰り広げられる子どもたちの冒険に、大人はただ感心するしかありません。ページをめくるたびに、次はどんな世界が待っているんだろうと心底わくわくドキドキする、今いちばん新作が待ち遠しい絵本作家さんです!
色々な現実を知ってしまってこんなに素敵な空想ができないのが悔しい! でも登場する子ども達に空想の旅に連れて行ってもらってどれだけワクワクしたことか! 退屈で無表情だった子どもたちが、空想の旅では表情がいきいきと輝いているのが印象的でした。この空想力が世界を広げてくれるんだろうなぁ。それにしても、junaidaさんの手にかかると空想の世界もオシャレに、怪物はおどろおどろしいようで、でも愛らしさも感じるものになるんですね!
たくさんの怪物が『怪物園』に住んでいる。どうやって入っていたんだろう。角のある怪物、小さい物から大きなものまでぞろぞろと怪物が歩く。町中を歩く。外で遊べなくなった子ども達は、空想ごっこを始める。バスごっこや、船に乗ることだって、空想の旅に出かける。その場を逃避するだけではない。怖い物から身を守るのは、大人の役目だけれど、次世代を担う子供たちには、怖いもの知らずの機知が備わっているのかもしれない。
junaidaさんの描く、繊細で温かみのある美しいイラストに今作でもすっかり魅せられました。不気味な怪物園と怪物たちの場面から始まりますが、決して怖いお話ではありません。こどもたちの明るく豊かな空想の世界と、恐ろしげな怪物たちの行進のコントラスト。最後にはそれらが交錯し、怪物たちがどこか愛らしく思えてくるんです。壮大な冒険にわくわくして、繰り返し読めば新たな発見があり、細部まで楽しめる作品です。
子どもたちの空想力は最強! 外に出られなくなったって、身近な物で冒険できるんだ。現実?と空想の世界を行ったり来たり。一見ぶきみな怪物たちも、何だか迷子の子猫ちゃんのように思えてくる。“怪物園”と“空想の世界”を目に見える形にできるjunaidaさん自身が空想の天才なのですね。現在の状況に負けず、この絵本のようなおおらかな空想力を培おう!
優美で優雅でユーモラスな気品すら漂う怪物たち。初めて読んだ日、怪物園の夢をみました。先の見えないもどかしさや不穏なかそけきささやきを聴き取り、深く潜った先にある真実と向き合い、おのれを救い出すのは、結局自分次第。消えて無くなるわけではありません。 「わあ きれい やあ たのしい」と世界の美しさや愉しさに感嘆し、「ヨーソロー」のことばをお守りに、双子の灯台を抜け、まっすぐそのまま前進していこうと決めました。