プピップピ! 草の音色がつれてくる、ゆかいな野原の友だち 『草のふえをならしたら』
『草のふえをならしたら』
春になると、都会の道端でもカラスノエンドウがぐんぐん伸びていたり、レンゲのかわいらしいピンクの花が目についたりします。特に、子どもと一緒だと歩くのがゆっくりなので、こんなところに咲いてたの? と思うような場所にも草花を見つけることができてとてもうれしい気持ちになります。
そんな日常の中で季節の移り変わりを感じることができる身近な植物、さくらやカラスノエンドウ、ホトケノザの葉や花びら、どんぐりの実などでつくる草笛をテーマにした8つの短編が楽しめる童話集をご紹介します。
子どもたちが草を摘んで、笛をつくって鳴らすと、その音色にさそわれるように、動物たちが姿をあらわします。
カラスノエンドウの笛をききつけたのは、ばんごはんの具材をあつめる、野ねずみの母さんと子どもたち。ささ笛の音色に誘われてあらわれたのは、物々交換で商売をする、たぬきのしょうゆ屋さん。どんぐりの実でならす笛をきっかけに再会したアオバズクからは、遊覧飛行にご招待! そして、青いねぎをブブウと鳴らすと、「味見が得意」というぶたが、料理の手伝いにやってきます。草笛の音色がむすぶ、子どもたちと野のいきものとの、愉快で、あたたかな交流の物語です。
身近な植物に、子どもたちが息をふきこんで生まれる小さな音楽、草笛。その音色がひきおこす、ひとときのファンタジー、さし絵もたっぷり入り、親子の読み聞かせにも、自分ではじめて読む童話としてもおすすめの作品です。
担当A・さくらの花びらのふえは、高いきれいな音がなりました! お散歩に行く前に読んでいくと草笛のふき方が分かって楽しいですよ。
2022.04.15