子どもたちの夏のヒーロー、カブトムシが大活躍『ほっぷ すてっぷ かぶとむし』
子どもたちの夏のヒーロー、カブトムシが大活躍
『ほっぷ すてっぷ かぶとむし』
カブトムシは子どもたちの夏のヒーロー! 夢中になっているお子さんも多いのではないでしょうか。
この絵本の「かぶとむしくん」は、なんともユーモラスです。片足あげて「けん けん けん」。両足をつけてから、「ほっぷ すてっぷ じゃーんぷ」。そして、「とぼうかな」とはねを広げますが……何やら少し考えているような顔です。
どうするかなと思ってページをめくると、「かぶとむしくん」は思い切って飛び立ちます。でも少し体が重そうで、お世辞にもかっこいいとはいえない飛び方です。自然の中のカブトムシも実は飛ぶのは少し苦手のようです。
脚をあっちこっちにまげ、まんまる目玉もきょろきょろ、飛び立つまでのユーモラスな「かぶとむしくん」の動きは、子どもたちも思わず真似をしたくなるかもしれません。
ご注目いただきたいのは立派な角。日本のカブトムシの角は、長い角の先が二またに分かれて、さらにその先がさらに二またに分かれているという世界的にみても大変珍しい角なのだそうです。「かぶとむしくん」の角の先もちゃんと分かれていますね。作者の増田純子さんの作品は、色紙を切って作画する独特の造形が魅力ですが、生きものの特徴をしっかりおさえてデフォルメされています。
絵本を読んだらぜひ、本物のカブトムシとも触れ合ってみてはいかがでしょう。カブトムシは体が大きく顔もよく見えます。動きもそれほど俊敏ではないので、エサを食べる様子など、小さな子どもたちでもじっくり観察することができます。「かぶとむしくん」を彷彿とさせるユニークな動きが見られるかもしれませんね。
2017.07.28