日々の絵本と読みもの

いつもと違う視点から見る、果物の姿のおもしろさ『まどのむこうの くだものなあに?』

いつもと違う視点から見る、果物の姿のおもしろさ


『まどのむこうの くだものなあに?』

イチゴのつぶつぶ、スイカのしましま、キウイのざらざら……。甘くておいしい果物は、見た目もさまざまですよね。お店で手に取るときや、皮をむいたり、切ったりするときも、普段何気なく見ている果物を、じっくりと近くで見てみたら、一体どんなことを感じるでしょうか。本日ご紹介するのは、そんな果物の姿のおもしろさに迫るユニークな絵本『まどのむこうの くだものなあに?』です。

表紙をめくると現れるのは、真っ黒なページに浮かび上がる、なにやら赤いもの。表面に、小さなつぶつぶがいくつも散りばめられています。一体これはなんでしょう。実はこのページ、真ん中に「窓(穴)」が空いていて、次のページに描かれたものの一部が見えているんです。では、ページをめくってみましょう。

現れたのは、画面いっぱいに描かれたイチゴ! いつもは小さな点にしか見えない種や、葉の表面の産毛まで、細かく描きこまれたイチゴの姿に、思わずじっくり見入ってしまいます。ページをめくると、半分に切られたイチゴの断面が。真ん中から出ている白っぽい線が、種に向かって伸びている様子まで、しっかりと見ることができますね。

果物の姿を緻密で美しく描いたのは、荒井真紀さん。植物や果物、野菜などを、緻密ながらどこか優しさを感じるタッチで描く作家さんです。イチゴの他に、7つのくだものが登場するこちらの絵本。いつもと違った視点から、くだものの一味違った姿をお楽しみくださいね。


担当T
桃、イチジク、びわ。好きな果物が全て柔らかくて薄甘いことに気づきました。

2020.10.16

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