絵本から童話へのかけはし

主人公なほちゃんの成長に共感! 『はじめてのキャンプ』

福音館書店の子育て中の社員が、子どもたちと幼年童話を楽しむ様子をつづる「絵本から童話へのかけはし」連載、第1回目は、夏にぴったりの『はじめてのキャンプ』。5歳の娘さんは、ひとりでキャンプに参加するなほちゃんに共感いっぱいの様子です。

『はじめてのキャンプ』
5歳になり、いろいろと長いお話も楽しむようになってきた娘。夏らしさを感じる幼年童話、『はじめてのキャンプ』を一緒に読んでみました。

おおきいこどもたちといっしょにキャンプへ行くことになったなほちゃん。おおきいこどもたちは「ちっちゃいこは重い荷物をもてないし、すぐ泣くし、薪を集められないし、暗いところをこわがるからダメ!」と言いますが……。

冒頭からすっかりなほちゃんの気持ちにはまり、ちょっと心配そうに絵を見つめていた娘でしたが、キャンプの荷物を準備するところからわくわくしてきたようです。そしてキャンプ場についてから、なほちゃんの奮闘が描かれるところでは、すっかり物語に夢中に!


キャンプでは、みんな、働かなくてはなりません。ゆうちゃんといっしょに薪を集める係になったなほちゃん。なかなか薪を見つけられませんでしたが、ついにはゆうちゃんがひっくり返るくらい、大きな薪を見つけました!

とっても大きい木を一人で抱えるなほちゃんの姿に、娘は大喜び! なほちゃんが自慢げに「このけむり、わたしのまきのけむりだもん」と言うシーンでは、「けむりさんがニコニコにしてるよ!」と嬉しそうに教えてくれました。

 

みんなでおいしい晩ごはんを食べて、お決まりのキャンプファイヤーと花火。その頃にはあたりは真っ暗で、見上げると美しい星空が……。


すっかりなほちゃんと一緒にキャンプを楽しんだ娘ですが、最後にひやっとするような試練が待っていました。それは、暗い外に、一人でおしっこにいくこと。勇気を出して一人でテントの外に出たなほちゃんを見て「大丈夫?こわいことないよね?」と娘もドキドキ。無事にテントに戻ってきた姿にほっと安心しつつも「ぜんぜんこわくなかったね!」と強がる姿もほほえましかったです。

林明子さんによるシンプルな線画で、楽しいキャンプの様子と共に、幼い子の心の動きや小さな成長が描かれている『はじめてのキャンプ』。まるで本当にキャンプを体験したかのような読み聞かせのひと時を得ることができました。

最後のページの誇らしげな表情のなほちゃんのように、読み終えた後にとびきりの笑顔を見せてくれた娘からは、さっそく「もう1回!」の声。ついには一人でもくもくと読みふけっていました。そして案の定「キャンプに行きたい!」と言い続ける日々……私自身はアウトドアがあまり得意ではないのですが、いつか必ず連れて行ってあげたいなあと、きたるキャンプに出かける日を親子で心待ちにしています。

販売課・M
入社11年。田舎育ちで、小さいときは何度かキャンプに行きました。テントや寝袋で眠るのがとても楽しみでした!

2021.07.24

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