三世代で楽しめる、安野さん流のユーモアにあふれた1冊『しりとり』
三世代で楽しめる、安野さん流のユーモアにあふれた1冊
『しりとり』
「りんご」「ごりら」「らっぱ」「ぱんだ」……。ドライブ中、渋滞に巻き込まれてしまったときや、テーマパークのアトラクションの順番待ちのときなど、「しりとり」を始めると、あっという間に時間が過ぎていきます。単純なあそびですが、誰とでも盛り上がれるので、折に触れて楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
なんの道具がなくても始められることが「しりとり」の魅力ですが、登場する言葉のひとつひとつに絵がついていたら、もっと楽しくなりますよね。本日ご紹介するのは、全部で256点の物や動植物が描かれた、安野光雅さんのしりとり絵本、その名も『しりとり』です。
ページを開くと、「さる」「きびだんご」「いわし」など、さまざまなものが描かれています。この中から一つ、「いわし」を選んでみましょう。
次のページにいくと、また「かじか」「るーれっと」「ものほしざお」など、いろいろな絵が並んでいます。さきほど選んだのが「いわし」だったので、「し」から始まるものを探すと……
「しか」
そしてまたページをめくって、前のページで選んだ「しか」の「か」から始まる絵を探します。
このように、最後のページまで進んでいくと……さて、「ん」で終わるものにたどり着けるでしょうか? うまく「ん」で終われなかくても大丈夫。また初めのページに戻って遊べますよ。
安野光雅さんが描く、ちょっとユーモラスな水彩画がずらりと並んだ贅沢な1冊。家族でしりとりを楽しみながら、安野さんの絵をじっくり味わえるのも大きな魅力です。
2020年12月に亡くなった安野さんの、「こどものとも」最後の1冊『なぞなぞ』(2021年3月号)も刊行されました。『しりとり』と同様、ほのかなおかしみをたたえた水彩画に彩られた、楽しい絵本です。
おとぎ話の主人公や想像上の生き物が登場する「なぞなぞ」がたくさん! みんなで出し合いっこしながら楽しめます。
安野さん流のユーモアにあふれた2冊。「旅の絵本」シリーズ、「はじめてであうすうがくの絵本」シリーズなどをはじめとした数々の絵本とともに、ぜひ安野さんの世界に浸ってみてくださいね。
担当・T
なかなか旅に出られないときも、「旅の絵本」シリーズを眺めていると、不思議と晴れやかな気分になります。
2021.02.12